学研健康保険組合
常務理事 中村 恭
加入者ならびに事業主の皆さまにおかれましては、平素より学研健康保険組合の事業運営に対し、格別のご理解とご協力を賜り、心より御礼申し上げます。
令和7年の年末を迎えるにあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
本年を振り返りますと、世界的には感染症の流行が断続的に続き、加えて医療費の高騰が各国共通の課題となりました。さらに、戦争の長期化に伴う燃料価格や物流コストの上昇は、私たちの日常生活や企業活動のみならず、医療・介護を取り巻く環境にも大きな影響を及ぼし続けています。
日本国内においても、高齢者医療への拠出構造が抜本的に改善されない中、多くの健康保険組合が厳しい財政運営を余儀なくされ、経常収支が赤字となる状況が常態化しています。
また、マイナ保険証への移行は着実に進展しているものの、加入者の皆さまにとっては分かりにくさを感じる場面も見受けられます。こうした状況を踏まえ、国、保険者、医療機関等の関係者が連携し、対応の充実や利用促進に向けた丁寧な周知を進めていくことが、今後の重要な課題であると考えています。
このような環境下において、当組合といたしましても、保険料率の引き下げを実現できなかったことは誠に心苦しい限りではありますが、一方で、介護保険料率については15‰へ引き下げることができ、加入者の皆さまのご負担軽減につながる一定の成果を上げることができました。
また本年は、これまで十分に取り組めていなかった「食事管理」という分野にも新たにチャレンジし、市販アプリとして高い実績と信頼を有する「あすけん」を導入いたしました。
さらに、総合的な健康管理の基盤としてPHRサービス「Pep Up」を導入し、健診結果をより分かりやすく可視化することで、ご自身の健康リスクに気づいていただくとともに、常備薬斡旋事業と連動させることで、セルフメディケーションをより実践しやすい環境を整えることができたと考えております。
しかしながら、医療費は依然として上昇傾向にあり、特に生活習慣病に起因する疾病の増加や、がんの罹患率の上昇は、引き続き大きな課題です。制度や仕組みを整えるだけでは十分とは言えず、それらをいかに加入者の皆さま一人ひとりの行動や健康づくりにつなげていくかが、今後ますます重要になると感じております。
当組合としては、本年度新たに導入した各種施策やサービスについて、今後さらに周知と浸透を図り、加入者の皆さまの健康づくりに実効性をもって活かしていただけるよう、引き続き健康推進・健康増進に注力してまいります。
私事ではございますが、本年の年末のご挨拶が、現時点では、常務理事として皆さまにお届けする最後のご挨拶となる予定です。
これまでの任期におきまして、多くの加入者の皆さま、事業主の皆さま、そして関係各位から賜りました温かいご支援とご協力に、改めて深く感謝申し上げます。
皆さまにおかれましては、どうぞ健やかに新年をお迎えになられますよう心よりお祈り申し上げるとともに、今後とも学研健康保険組合への変わらぬご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、年末のご挨拶とさせていただきます。
本文に込めた思いが、少しでも皆さまに届きましたら幸いです。